日本、惜敗

第3回アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会の決勝戦、日本 vs アメリカの試合をテレビ観戦した。台風の影響で試合の開催自体が心配されたが、放送開始時は青空も見られるほどで、風は強そうだがプレーに支障は無さそうだった。

試合はアメリカのキックオフで始まった。風上からのキックは良く飛んで日本はタッチバック、20ヤードからの攻撃となった。ファーストプレーで日本は長めのパスを選択。このボールが浮いてしまって、いきなりのインターセプト、しかもロングリターンを許してしまう。
アメリカはゴール前15ヤードと絶好のポジションからパスプレーでさらに前進すると、ワンバックからの単純なハンドオフプレーで早くもタッチダウンを奪う。キックも成功で、0-7。日本は今大会初失点だ。

再びタッチバックして20ヤードから日本のオフェンス。早いタイミングのセンタースクリーンでファーストダウンを獲得するが、その後が続かない。アメリカの攻撃も日本ディフェンスを簡単には崩せないようで、互いにパントを蹴りあう。
日本オフェンスは敵陣45ヤードからの攻撃でファーストダウンを獲得したあと、ショベルパスでロングゲイン。敵陣17ヤードまで攻め込んだところで第1クォーターが終了した。
アメリカも素晴らしいディフェンスを見せるが、日本はQBドローでさらにファーストダウンを獲得。ゴール前まで迫る。ここでパワーIからHBがモーションして今大会見慣れたウィングIからのパワー…で、今日はプレーアクションパスだった! しかも、ブロック要員としてTEに入っているDLへのパスで見事タッチダウン! キックも成功で、日本は7-7の同点とした。

サイドが変わったので日本が風上となり、キックオフはタッチバックとなってアメリカが20ヤードからの攻撃となった。この頃、画面でもはっきりわかるほど激しい雨が降り始めた。そしてアメリカの攻撃でファンブルが発生! 日本がリカバーして逆転のチャンスをつかんだ。しかし、日本オフェンスもペナルティの罰退があったり、スクリーンパスをアメリカのDLに教科書どおりカットされたりで、思うようには進めない。どうにか49ヤードのフィールドゴールを成功させて、10-7と逆転した。

その後、雨は小降りになったようだが、お互いファンブルしたボールを相手ディフェンスにリカバーされるなど、なかなかオフェンスがリズムに乗り切れない。
前半終了間際、残り時間が無い時の攻め方のお手本のように丁寧に攻めるアメリカオフェンスは素晴らしかったが、あきらめずにボールを追ってタックルする日本ディフェンスも素晴らしく、誇らしく思えるプレーぶりだった。残り6秒でアメリカは45ヤードのフィールドゴールを蹴るが失敗。10-7で日本がリードしたままハーフタイムを迎えた。

前半を終えて意外だったのはアメリカの臆病とも思えるほど慎重で堅実なプレーぶり。もっとパワープレーでゴリゴリとボディブローを打ってきたり、LBやDBがバンバン入ってくるのかと思っていたが、まさに教科書どおりと言うか、マンツーではキッチリ人に付いているし、ミスディレクションにもしっかり残って対応しているし、前2試合とは次元が違うのは当たり前としても、もっと派手なプランを立ててくるのかと思っていたがそうではなかった。と言って別にガッカリした訳ではなく、むしろカレッジフットボールのようで観ていて心地良かった。

さて、後半。第3クォーターは日本のキックオフで始まった。アメリカはスペシャルチームが実力を発揮して、自陣45ヤードまで戻すロングリターン。このままオフェンスに押し切られるのかと思ったが、日本ディフェンスは何とかアメリカのペナルティに救われた感じ。
日本はオフェンスがなかなか噛み合わない。実は、これも予想外だったのだが、日本は前2試合とは全く違うQBの起用法をしていた。エースQBに試合を任せず、3人のQBを短い時間で何度も交代させていたのだ。これについては賛成できないし、理解できない。変わったことをする余裕があるとは決して思えなかったのだが、こうした戦略をとった意図を是非知りたいものだ。

日本ディフェンスは再三に渡ってスロットIからTEサイドへのピッチプレーでロングゲインを奪われ、ついに35ヤードのフィールドゴールを蹴られて10-10の同点に追い付かれた。

日本オフェンスは徐々に手詰まりという感じになって、なかなかファーストダウンに届かない。フランス戦ではロングゲインにつながったヒッチスクリーンも止められてしまう。そしてパントで攻撃権を渡した直後、日本ディフェンスがビッグプレー! アメリカのプレーアクションパスを見事インターセプト、敵陣42ヤードという絶好のフィールドポジションで再度オフェンスにボールを託す。
が、日本オフェンスはアメリカを攻め切れずフィールドゴールを選択。ここで今度はアメリカがビッグプレーのキックブロック! さらにリターンを試みたところがボールが手につかず、それをファンブルと見なされて、リカバーした日本が再び攻撃権を得た! 日本はツイてる!

残り時間8分を十分に消化しながら前進するのかと思いきや、敵陣46ヤードからパス・パス・ランと3プレーでゴール前7ヤードまで前進。そしてQBが右へフローしてスローバック。タッチダウンを奪い、キックも成功して17-10と再度試合をリードした。

しかし、アメリカにも十分な時間を残してしまったなぁ、と思っていたら案の定、タッチバックからジリジリと前進され、ゴール前5ヤードからオフタックルを突かれてタッチダウンを奪われてしまう。キックも成功で17-17、同点となって決勝戦は延長へともつれこんだ。

延長はゴール前25ヤードから攻撃を表裏するNCAAルール。裏の攻撃が終わった時点で点差がつけば試合終了だ。
1回の表はアメリカの攻撃。日本ディフェンスの集中力は素晴らしく、アメリカを後退させる。結局、アメリカが43ヤードのフィールドゴールを成功させて17-20と逆転する。
その裏、日本も25ヤードのフィールドゴールを成功させて20-20と再び追い付く。
2回の表はアメリカがディフェンスをチョイスしたため日本のオフェンスから。まずは中央を突いて6ヤードゲイン。セカンドダウンはパス失敗。サードダウンで再び中央を突くもファーストダウンに届かず、34ヤードのフィールドゴールにトライする。これが僅かに逸れ、日本は得点することができなかった。
そしてその裏、アメリカは22ヤードのフィールドゴールを成功。20-23で第3回アメリカンフットボールワールドカップ2007川崎大会の優勝を決めた。

3連覇を目指した日本だったが、初参戦のアメリカに敗れてしまった。本場アメリカが勝ってホッとしたような日本が負けてガッカリしたような複雑な感じ。それにしてもアメリカは予想以上に良いチームを送り込んでくれた。フランス戦やスウェーデン戦を観て、正直楽しめなかっただけに今日は楽しめて良かった。きちんと訓練されたアメリカンフットボールチームはやっぱり素晴らしい。

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プロフィール

k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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