災害ボランティア体験記

さて、Kayaksの監督として部員に勧める以上、自ら災害ボランティアを体験しておかねばと思い、設立されたばかりの東北学院大学災害ボランティア・ステーション(ボラ・ステ)に登録し、登録した翌日の今日、早速地震と津波で大きな被害を受けた石巻市に行くことになった。

さらに、中型限定解除がバレて(?)、学生ボランティアたちをマイクロバスに乗せて私が運転して行くハメになった。運転手は正直「余計」だと思ったし、なぜか、マイクロを運転するために私が来た、みたいに思われて、むしろ少々オモシロくない気すらした。

が、とりあえず災害ボランティアの実際を体験できれば何でもいいやと思い、朝7時15分に土樋キャンパスに集合して石巻へ向かった。

石巻までの話は既にご紹介済みなので、その後の話。

ボラ・ステ・スタッフが石巻ボランティアセンターの方と打ち合わせた結果、今日は私たち東北学院大学の災害ボランティア22名(内女性は3名)は、全員で石巻市立渡波(わたのは)中学校へ行って、校舎内の清掃作業をすることになった。

再びマイクロバスに乗り込み、私の運転で渡波中学校へ。ボラ・ステ・スタッフ(今日の担当は教養学部のフランス語の先生)が言うには、相当被害を受けた地域だとのこと。

マイクロバスのナビをセットしてしばらく走ると、3週間前の大津波の破壊力をイヤというほど思い知らされた。物資の運搬のための車両がいち早く通行できるようにと、瓦礫や泥、ぺちゃんこになった車をとりあえず路肩に寄せたのだろう。車道にはみ出さんばかりに、実際、所々車道にはみ出すほどおびただしい量の瓦礫の山、津波が運んできた砂を集めた山が私の視界に飛び込んできた。そして、建物の1階部分は無惨に破壊され、信じられないところに車が「立っている」。この辺りが、いかに大きな被害を受けたのかを改めて思い知った。

渡波中学校に着いて、清掃作業を担当する教室を見て愕然とした。担当したのは、調理実習もできる家庭科教室と、技術科教室だったのだが、津波が運んできた砂や木の枝、松の葉でびっしりと覆われ、その厚さは10cm近くもあった。当然ながら窓ガラスも割れ、机やイスも衝撃で壊されていた。何もかもが元の姿形をとどめてはいない。1階は天井まで完全に水に浸かったようで、天井近くの棚の上まで砂がびっしり覆っていた。

津波の威力をまざまざと見せつけられたが、今日の作業が終わってみると、むしろ人間の力の大きさを知った気がする。

清掃作業は、今日のボランティアにたまたま参加していた本学体育会柔道部の力持ちたちが中心となって、元気な男子学生がまず大きな机や重い物を撤去し、その後みんなで泥を床からこそぎ取って、一輪車で運び出すという手順。地道で面倒な作業に思えたが、11時頃から作業を開始して15時半までで2つの教室を見事なまでに綺麗にすることができた。

1日の作業で僅か2教室しか清掃できなかった訳で、膨大な瓦礫の山を考えてしまうと人間の力はいと小さきものだが、石巻にも全国から災害ボランティアが集まってきているし、これからも本学の学生ボランティアたちが継続して復旧作業を続ければ、決して片付けられないことはない。どんなに甚大な被害を受けようと、人が力を合わせて頑張れば、必ず復興できると思えた。

写真は、廊下の汚れてしまった掲示板と清掃作業中に泥の中から見つけた教室内の掲示物。

掲示板に書かれていたのは、おそらく入学式の準備であろう「お(め)でとう(ご)ざいます」の文字と、右下が「めざせ!石巻一の学校を!」、左下に「新校舎を汚さないでね!」とある。津波に対して憤りを感じずにはいられない。

しかし同時に、私たち人間が作った物は大自然の力の前には簡単に破壊されてしまうかもしれないが、私たちの心にあるものは決して壊されることはない。掲示板や掲示物に書かれた言葉を見て、そう思った。私たちが強く思えば、この未曾有の大災害も必ず乗り越えることができる。私は今日のボランティアに参加して、はっきりとそう思えた。

今回のボランティアで残念というか、うんざりしたのは、その移動時間の長さ。

朝7時半頃出発して、石巻着が10時頃。その後約1時間かけて渡波中学校へ。帰りは、15時半に渡波中学校を出て(途中、忘れ物があって引き返したせいもあるが)石巻専修大学にあるボランティア・センター着が17時半。それから土樋キャンパスに向かって、到着したのが20時50分。約9時間もバスで移動していた計算になる。実際に作業していた時間は、休憩時間を含めても僅か4時間半。異常な渋滞なので仕方ない面もあるが、決して効率が良いとは言えないなぁ、と思った。特に今回、私は災害ボランティア兼運転手だったので、余計にそう感じたのかも。

それから、清掃作業はホコリがすごい! これまで経験したことがないぐらいヒドい花粉症の症状が出た。これから行く場合、ゴーグルのような花粉対策用メガネと、ガーゼのマスクが必要だろう。使い捨ての紙マスクは、すぐにダメになってしまう。参考にしてください?!

石巻からの帰り道、仙台東部道路を走っていて利府ジャンクションの手前で仙台の夜景がパッと眼前に現れた。綺麗な見慣れた夜景を見てホッとしたのと同時に、仙台が「平和ボケ」してしまっている気がして残念に思えた。今回の震災は、喉元過ぎれば…ではいけない。もっと被災地に目を向けよう。

(いつも以上に乱文な上に長文ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。)

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k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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