対北里大学獣医学部戦

[2010/11/4 試合経過を若干修正しました]

非常に厳しい試合だった。
今シーズン、Kayaksは初戦こそ大量得点を上げて勝利したものの、2戦目は前半を0-0で折り返すという苦しい展開。そして最終戦となる今日の試合は、先制したものの逆転され、それを再度逆転して勝利するという、非常に厳しい試合だった。

昨日までは雨が続いた仙台だったが、今朝は青空が広がり、時折小雨がパラついたが、試合が始まる頃には雨の心配は無くなっていた。しかし、昨日までの雨を吸った天然芝の表土はだいぶ柔らかめで、試合前練習で何人もの選手が滑って転ぶような状態。普段、こうした芝のグラウンドで練習していないため、力の入れ加減や走り方がなかなか分からない様子。カットを踏まずにスピードを上げていけ、というコーチの指示どおりにはなかなかできない。Kayaksの選手たちの不器用さを改めて知った試合でもあった。

試合は北里大学獣医学部カウボーイズのキックオフで始まった。
最初のオフェンスシリーズでタッチダウンを奪うことをひとつの目標としていたが、予想以上に北里大学はフィジカルに強く、最初の3プレーでほとんど前進することができず、パントを蹴って攻撃権を受け渡さざるを得なかった。

今日の試合では、対戦相手の情報をより多く正確に収集するため、あらかじめいくつかのプレーをシナリオ風に準備し、それをまずはやり尽くそうと選手たちと話していた。結果的に勝てたとは言え、2つのタッチダウンしか奪うことができなかったので大成功とは言えないまでも、おそらくフィジカルではKayaksより上の相手に対して、ダウンを更新しながら前進し続けることが少しでもできたのは、この情報収集によるところが非常に大きい。

しかし、最初のチャンスを潰したのも、この情報収集のためのシナリオだったと、いま振り返るとそう思える。実は、第2シリーズで敵陣深くからオフェンスを始めるチャンスを得たのだが、そこでがむしゃらにタッチダウンを狙うことよりも、シナリオどおりに進めることを私は選択してしまった。もちろん、それでも十分タッチダウンを狙えると予想してのことだが、あそこでがむしゃらにタッチダウンを奪いに行っていたら、このゲームはもっと違った展開になったかもしれない。「たら・れば」の話をしても仕方ないが、今後の試合への教訓として、強く胸に刻んでおこう。

準備したシナリオを選手たちが我慢強く遂行して情報を収集し終えたあと、私たちのストロングポイントを相手のウィークポイントにぶつけるという、今シーズン、私たちが特に意識して取り組んできた手法によって、Kayaksは先制のタッチダウンを奪うことに成功した。そして、このままモメンタム(勢い)を引き寄せて一気に勝負を決めようと盛り上がった直後、Kayaksはキックオフで北里大学にビッグリターンを許してしまう。好調なディフェンスチームがここで踏ん張り、失点をフィールドゴールの3点に抑えてくれた。結果的に今日はディフェンスチームが1タッチダウンを許して失点は10になるのだが、Kayaksのディフェンスは本当に強い。ドライブされて相手に時間を与えてしまうクセが若干あるが、失点される心配はほとんど無い。安心して見ていられる。

一方のオフェンスチームも、前節の日大工学部戦に比べれば格段に安定感は増したと言える。サイドラインでプレーコールを出す私と実際にプレーする選手たちとの間の意志疎通もだいぶ改善され、まだまだ「おいおい、それは違うでしょ!?」って思うこともあるが、かなり多くの場面で選手たちは私の期待に応えてくれる。

さて、試合はその後、Kayaksが敵陣深く攻め入るもピッチボールが手につかずターンオーバー。さらに、パスをインターセプトされてターンオーバーを繰り返すが、北里大学も攻め手を欠いて前半は7-3のまま終了した。

後半に入ってすぐ、北里大学のオフェンスがリズム良くKayaks陣に攻め入ったが、Kayaksディフェンスはパスをインターセプトしてビッグリターン。絶好のチャンスを得るが、今度はKayaksオフェンスの乱れたピッチボールを北里大学が拾い上げてビッグリターン。オフェンスのミスからディフェンスは窮地に立たされ、ついにタッチダウンを奪われて7-10と逆転され、Kayaksはリーグ戦では今シーズン初めて相手を追う立場となった。

ここで活きたのは、オフェンスチームが試合開始当初に我慢して我慢して収集した相手の情報だった。一度集めた情報はそのままでは役に立たなくなることもあるが、そこからどう変わったか、という使い方をすると、試合を通じて活用することができる。選手たちがサイドラインに戻って来る度に情報のメインテナンスをし、それを元にプレーを組み立てていく。逆転されたKayaksが決して焦ることなく、一喜一憂せず、ひとつひとつのプレーに集中し続けることができたのは、こうした地道な取り組みが必ずチームに勝利をもたらしてくれるのだと、チーム全員が信じていたからだと思う。彼らは本当によく成長してくれた。

我慢してドライブを続け、一所懸命プレーした結果、オフェンスチームはこの日ふたつ目のタッチダウンを奪い、トライフォーポイントのキックも落ち着いて決めて、Kayaksは14-10と逆転に成功した。そうして第4クォーターに入り、北里大の猛攻をディフェンスチームが何とかしのぎ、オフェンスチームは最後までボールを持ち続けることこそできなかったが、試合時間が残り1分半ほどになるまで攻撃し続け、ディフェンスチームが最後まで耐えて、ついに試合終了。非常に厳しい展開だったが14-10で勝利し、昨シーズンに続きKayaksは2部リーグを1位で終えることができた。

それにしても北里大学獣医学部は強かった。
スカウティングのDVDで見るより数段強く、大きかった。
特にタックルの激しさ、ボールをかき出そうとするアグレッシブさはKayaks以上。スキルだけでなく、メンタルを含めた指導を受けたら、彼らはおそらく東北学生リーグのトップクラスの実力を持つことになるだろう。
正直に言うと、彼らと初めて対戦した試合(2年前のリーグ戦の初戦)も、実力的には彼らの方が上だと感じた。たまたま雨の影響でグラウンドがぬかるみ、その差が縮んで運良くKayaksが勝つことができた。来シーズンは是非、1部リーグで対戦したいチームだ。

今日の試合はKayaksのOB/OG会が企画した「第1回Kayaksホームカミングデー」にもなっていて、部員のご家族やOB/OGがたくさん駆けつけ、現役部員たちの活躍に声援を送ってくれた。多くの方にはご挨拶もできず大変失礼しました。この場を借りてお詫びと御礼を申し上げます。ありがとうございました!

また、本学の応援団、チアリーディングチーム“デイジーズ”、放送会、シンフォニック・ウィンド・アンサンブル(吹奏楽サークル)の皆さんにもご協力をいただき、試合を大いに盛り上げていただいた。私の不手際で少々困らせてしまった部分もあって申し訳ない。今後ともどうぞよろしくお願いします!

さぁ、次は入れ替え戦。
対戦相手は、昨年の入れ替え戦で試合終了まで残り4秒のラストプレーでタッチダウンを奪われ、逆転負けを喫した弘前大学スターキング。この日のために2月から苦しい練習をしてきたのだ。雪辱を期して、明日からの一日一日をさらに大切にしていこう。

でも、まずは2部リーグ優勝を喜ぼう!
試合中は「一喜一憂するな」と繰り返し言うが、試合が終わったら素直に勝利を喜ぼう。でないと、何が楽しくてフットボールをしているのか分からないぞ?
試合に勝つというのは本当に難しいこと。対戦相手に敬意を表し、仲間たちの労を労(ねぎら)う。勝利を喜ぶっていうのは、そういうことだと思う。つまり、勝利を喜ばないのは、相手に対しても仲間に対しても失礼と言うこと。
コーチという人種は(オレも含めて!)ついつい「勝って兜の緒を締めよ」と言ってしまうものだが、少なくとも今日は素直に勝利を喜び、それを表現しよう。そして明日から、悲願の1部昇格に向けてまた必死に努力しよう。そうした「オンとオフの切り替え」もフットボールから学んで欲しい。

頑張ろう!Kayaks!
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プロフィール

k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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