禁断のプレー解説!?

先週末は大学祭関連の業務担当で練習に参加できず、今週も仕事の都合でなかなか練習に行けていない。だが、練習報告は都度主将がメール等で知らせてくれるし、毎日のように部員が職場を訪れてくれてチームの様子を聞くことができているので、練習に行っていない割には不安を感じていないというのが正直なところ。それに、斎藤ヘッドコーチが先週末、たっぷりと時間を使ってディフェンスの調整をしたようなので、少なくとも大量失点することはないだろうという安心感がある。あとは、いかにオフェンスが上手く機能するか、ということ。もちろん、それが一番の課題な訳だが。

Kayaksオフェンスは長い間「堅実なフットボール」を目指していて、爆発的な得点力や派手なプレーを求めてはいない。20年以上前から、コーチ・監督としてそうしたことを部員たちに説いてきたが、最近ようやく部員たちもそれを自覚してきたようで、精神的心構えとして全プレーでのタッチダウンを目指しはするが、実際にはコツコツと前進を続ける地道なオフェンスを遂行しようという意識がはっきりと感じられるようになってきた。

堅実なフットボールというと聞こえは良いが、全員がフットボール未経験者の素人集団が本気で強くなろうとすれば、いかにフィジカルを強く鍛えて、ミス無くプレーを成就できるか、ということを第一に考えるのは当然な訳で、私の性格が地味だからKayaksフットボールも地味だということでは決して無い。(私の性格は確かに地味だが…)

さて、今度の試合、11月3日(水)文化の日の対北里大学獣医学部カウボーイズ戦は、今シーズンの2部リーグ最終戦であると同時に、全勝同士の試合で事実上の2部リーグ決勝戦であり、Kayaksにとっては第1回目となるKayaksホームカミングデーの開催試合でもある。絶対に負けられない試合であると同時に、大いに楽しんでもらいたい試合でもある。そこで、KayaksのOB/OGや部員のご家族が観戦に来られた際の見どころとして、今日は特別にKayaksオフェンスのキープレーのひとつを解説しよう。
それは、一般的に「3ウェイオプション」あるいは「トリプルオプション」と呼ばれるプレーの一種で、Kayaksにはそうしたプレーがいくつかある。オプションプレーとは、相手ディフェンダーの動きによってボールキャリアを変更するプレーのことで、3ウェイオプションの場合、3通りの方法でボールを進めることができるということ。

Kayaksは「プロI(アイ)」と呼ばれるフォーメーションを主に使用している。「I」というのは、バックス3人が縦一列に並んでいて、相手側から見てアルファベットの「I」に見えることから、そう呼ばれている。前から、クォーターバック(QB)、アップバック(Kayaksではフルバック(FB)と呼んでいる)、テールバック(TB)が並び、プレーは全てQBが起点となって開始される。通常のプレーの場合、QBからFBかTBにボールが手渡しされたり、レシーバーにパスが投げられたりしてボールを前進させていく訳だが、オプションプレーの場合、先に述べたとおり、相手の動きによってボールを運ぶ選手(ボールキャリア)が変わる。

3ウェイオプションの場合、まずQBはFBにボールを手渡ししようとする。この時、相手ディフェンダーがFBをタックルしようとしたら手渡しを途中で止め、QBは自分でボールを持ったまま外側に走る。タックルに来なかったら、そのままFBにボールを渡してFBが走る。ここまでで2ウェイ、2通りのボールの進め方を選択することができた。

次に3つめのオプションは、相手ディフェンダーがQBをタックルしに来た場合、斜め後ろを併走しているTBにボールを渡す。ちょうどラグビーのパスのような感じで前には投げない。アメリカンフットボールでは一般的にこれを「ピッチ」と呼んでいる。これが3通り目の選択。整理すると、(1)QBがFBにボールを手渡ししてFBが走る、(2)FBにボールを渡さないでQBがそのまま走る、(3)QBがTBにボールをピッチしてTBが走る、という3通りの選択をするのが「3ウェイオプション」という訳である。

これらの判断、FBに渡すかどうか、TBにピッチするかどうかは、全てQBがほんの1~2秒の間に判断して行っている。QBが「司令塔」と呼ばれる理由がお分かりいただけるだろう。Kayaksは、こうした3ウェイのオプションプレーをオフェンスの軸にしてプレーを組み立てている。

観戦される際、誰がボールを持っているのか分からなくなることがあるかもしれない。FBがボールを持っていると思ったらQBが持って走ってた!なんてことがよくあり、かつては審判もよく間違えて、まだ「本当の」ボールキャリアがタックルされてないのに笛を吹かれてプレーが止められるということが度々あった。最近は、Kayaksと言えばオプション、というイメージが定着したので、審判も目を凝らしてボールを見ておられるのか、そうしたミスはほとんど無くなった。

大事な試合を前に監督が「禁断のプレー解説」をしてしまったが、Kayaksのプレーは他にもたくさんある。ウェブ上に全てさらけ出した訳ではないのでご安心を。Kayaks OB/OG、部員のご家族、Kayaksファンの皆さまが第1回ホームカミングデーに観戦に来られて、大いにフットボールを楽しまれることを期待しています!
ブログ内検索
カテゴリー
月別アーカイブ
全記事一覧
モバイル版QRコード
このブログは携帯電話でも閲覧できます。下のQRコードを読み取ってアクセスしてください。
QR
プロフィール

k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

FC2カウンター
different version