ヘッドコーチに課せられた義務

フットボール・ゲームは言葉で表現できないくらい強烈で、限りなく激しい戦いだ。そのためフットボールに携わる人間は、時には他人に必要以上に辛く当たってしまうこともある。厳しい争いを闘い抜くために、選手は乱暴に扱われることに慣れ、屈辱的な経験に耐えねばならないかも知れない。最悪の場合、コーチが選手を軽蔑したり、無視したりするような状況もあるかも知れない。…(中略)…
コーチが直面する闘いは、一種の消耗戦でもある。コーチングに費やす時間とエネルギーには限りがなく、最後まで闘い抜くことができるかどうか不安になることもある。トレーニング・キャンプではコーチは毎日十四時間も働いている。テレビの解説者になってはじめて私は彼らの顔を客観的に見て、その疲労の濃さに驚いた。キャンプでの疲労に加えて、シーズンが深まるにつれて今度は感情の激しい起伏がコーチを襲う。コーチがゲーム中にオフィシャルに対して見せる激しい怒りは、コントロールすることのできない、感情の波の表れなのである。しかしこうした疲労や感情の波が極限に達したような状況でも、ヘッドコーチはあくまでも表向きは冷静さを保ち、チームをコントロールしなければならない。それがヘッドコーチに課せられた義務なのである。

(ビル・ウォルシュ他著 「NFL 王者の哲学」 p.67 タッチダウン 1993)

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Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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