未熟なKayaks

昨日、訳あって休部中の部員と会って、泉キャンパスのそばで軽く夕飯を食べながらいろいろ話をした。

その部員は、様々なことを真剣に考え、本気で悩み、一所懸命に行動する、言ってみれば大学生らしい大学生で、心身共に幼い大学生が多い昨今、自分の考えをしっかり持った立派な大学生だと話しながら実感した。

こうした学生が我がKayaksの部員であることを誇りに思うが、今は休部中で、むしろ部を離れそうになっている気持ちだと知り、こうした部員が離れていくKayaksというクラブは、まだまだ未熟で魅力的とは言えない組織なんだなぁ、と寂しくなった。

折に触れ、思うことがある。
それは、かつて4年生が(あるいは上級生が)してきた『道徳的指導』を監督である私がせざるを得なくなっている状況について、果たしてこれで良いのだろうか、ということである。

例えば遅刻。
自分たちで決めた集合時間に遅れてくれば、私が現役の頃は上級生にひどく怒られた。しかし今はずいぶんとルーズになっているようだ。挨拶もしかり。ここ数年は、ちゃんと挨拶しろと私が指導している。振り返ってみれば、かつてはそうしたことは上級生が指導していた。

私はこうした『道徳的指導』を面倒がってやりたくないと言っている訳ではない。コーチと監督の差はここにあって、技術的な指導のみを行うのがコーチ、プラスして精神的道徳的指導を行うのが監督だと思ってるから、むしろ私はそうした指導を重視しているつもりでいる。では、何をそんなに憂えているのかと言うと、後輩を叱れる上級生がいなくなっていること、である。

叱るというのは大変なこと。相手に嫌われるかもしれないし、叱る側も叱られる側も良い気分ではない。しかし、ダメなものはダメ、ルールはルールと、誰かが正していかなければ組織は成り立たない。大学の4年生(上級生)にもなって後輩を叱ることができないようでは、卒業後、組織の一員として社会に貢献することなどできるはずがない。

昔、体育会では、「4年は神様、1年は兵隊」と言われた。私が現役だった20年前は、まだ若干だがそうした風潮が残っていた。下級生に対するイジメや暴力を是認するつもりは微塵もない。ただ、体育会の後輩が先輩の命令に服従したのは、その先輩が先輩として相応しい行動をしていたからだということを今の学生たちに伝えたいだけだ。

私は監督として、当然、リーグ戦で良い成績を上げたいという欲望を持っているが、それよりも強く、部員たちがKayaksでの4年間で立派な大人に成長してくれることを願い、アメリカンフットボールという競技の指導を通じてその手助けができればと思っている。力が足りずにKayaksはまだ未熟だが、これからもあきらめることなく、精進していくつもりだ。
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プロフィール

k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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