第23回パインボウル

第23回アメリカンフットボール北日本大学王座決定戦「パインボウル」を観戦した。

昨日まで穏やかな秋晴れがずっと続いていた仙台だったが、今日は朝から小雨が降り、試合開始時には一旦止んだようだったが、その後は雨が降ったり止んだりという不安定な空模様だった。
試合は、東北大学ホーネッツが北海道大学ビッググリーンを36-24で下し、12月14日(日)に札幌で開催されるシトロンボウルへと駒を進めた。

(詳しい内容は「続きを読む」で。かなりの長文ですが…)
1クォーター15分で行われるパインボウル(リーグ戦は12分制)、試合は東北大学のキックオフで始まった。

北海道大学の最初のオフェンスシリーズは自陣20ヤード付近から。
北大はショットガンから右のオフガード付近へのハンドオフプレーで1ヤードのゲイン。続くプレーでロスするが、第3ダウン残り10ヤードの攻撃で、クロスバックのハンドオフプレーが大きくゲインしてファーストダウンを獲得した。
続くプレーもランプレーで、これは東北大がよく止めたが、第2ダウンでWRのポストパターンへパスを通してファーストダウンを獲得。このあとインサイドレシーバーがモーションしてハンドオフを受けるモーションスイープでロングゲイン。敵陣10ヤードまで一気に攻め込んだ。
そして試合開始から僅か3分。北大はハンドオフプレーで先制のタッチダウン。トライフォーポイントのキックは失敗して0-6とした。

北大が右ハッシュからキックして試合再開。
東北大が自陣47ヤードまでリターンして一気に反撃か?と思ったら、いきなりのフォルススタートで罰退。第1ダウン残り15ヤードとし、ファーストプレーはドローで左のオフタックル付近を突いた。第2ダウンでは、モーションスイープで大きくゲイン。その後パスとランで敵陣26ヤードまで攻め込んだ。
ハンドオフプレーでインサイドを攻めたあと、ドローフェイクのパスを成功させて第3ダウン残り1ヤードとし、オフセンターを攻めて東北大はファーストダウンを獲得。敵陣10ヤードまで攻め込むが、東北大が再びファウルで罰退。第1ダウン残り15ヤードとなり、QBランやドローで攻めるが思うようにゲインできず、第4ダウンでフィールドゴールを選択。9分、これを成功させて東北大が3-6とした。

お互い最初のオフェンスシリーズを得点に結びつけるあたりはさすがだ。それぞれのリーグで優勝したチームだけのことはある。

ここまで、東北大学のオフェンスはワンバックでレシーバーの位置をさまざまに工夫したフォーメーション、対する北海道大学は2人のRBをQBの左右に配したショットガンを基本としている。またディフェンスは、東北大がベーシックな4-3、北大は3-4が基本だ。

試合は東北大のキックオフで再開したが、北大が敵陣12ヤードまで一気に攻め込むビッグリターンを披露。このまま北大が追加点をあげるのかと思った矢先、最初のプレーでピッチボールをファンブル。これを東北大がリカバーして攻守交替、ピンチを脱した。

東北大は自陣14ヤード付近からの攻撃だったのでじっくりと攻めたいところだったろうが、一度ダウンを更新したものの、フリーのレシーバーを見逃したり、あわやQBサックかというようなパス失敗でボールを進めることができずにパントとなり、しかもこのパントがミスキックで再びピンチに陥った。

北大は敵陣35ヤードで攻撃権を獲得。何でもできる絶好のフィールドポジションだったが、北大はファウルを連発。第2ダウン残り24ヤードまで罰退したあげく、ロングスナップのボールが手に着かず、慌ててハンドオフしたボールをファンブル。東北大がまたもリカバーして攻守交替。再び東北大はピンチを脱し、敵陣48ヤード付近で逆にチャンスを得た。

東北大オフェンスは第1ダウンのプレーで(ハンドオフ?ショベルパス?見えなかった!)RBが50ヤードを一気に走りきり、13分にタッチダウン! トライフォーポイントのキックも成功で、10-6と逆転した。

東北大はこれで勢いに乗り、キックオフでもナイスタックルで北大を自陣18ヤードからの攻撃に押さえ込むと、北大はファウルやパス失敗などで自滅。第1クォーターが終了した。

第2クォーター最初の東北大オフェンスは、敵陣40ヤード付近からドローフェイクのWRポストパターンのパス。これを成功させて敵陣18ヤードまで攻め入り、続くプレーでドローを走りきってアッという間のタッチダウン。キックも成功で17-6とリードを広げた。

これで北大が焦ったという訳でも無いだろうが、試合再開のキックオフリターンではホールディングで自陣12ヤードまで罰退し、あわやインターセプトかというパスを投げたり、序盤に効果的だったモーションスイープを封じられたりで苦戦しだしたようだ。

東北大も一気に北大を突き放すことはできず、北大ディフェンスの好守もあって、双方パントを蹴り合った、その後の東北大自陣46ヤード付近からの攻撃。
パス失敗のあとドロープレーで9ヤードゲインし、きっちりオフセンターにダイブを走ってファーストダウンを獲得。敵陣40ヤードからの攻撃でまたもドロープレーを選択。この時の東北大RBの走りはまさにエースの走り。何度タックルされても倒れず、9分、最後はタックラーを引きずるようにして圧巻のタッチダウン! キックも成功で24-6と東北大がさらにリードを広げた。

何とか得点したい北大オフェンスだが、東北大のアグレッシブなディフェンスにプレーを潰され、なかなか思うようにゲインできない。そしてようやく敵陣に入ったところで投げたWRへのストリークをインターセプトされてしまう。しかし、皮肉にもこれによって東北大は自陣5ヤード付近からのオフェンスとなり、北大ディフェンスがきっちり守れば逆にチャンスになるという場面。ここで北大が踏ん張り、しかも東北大のパントがあまり良くなく、北大は敵陣46ヤード付近で攻撃権を得ることに成功した。

パスとQBキープで敵陣20ヤードまで大きくゲインしたところで前半の残り時間は2分を切った。
第1ダウンのインサイドアタックはロスしてしまうが、第2ダウンのモーションスイープでダウンを更新。敵陣2ヤードでファーストダウンを得た。さらにオフガードをハンドオフプレーで攻めたが東北大ディフェンスに食い止められ、34秒を残したところで北大はタイムアウトを取って時計を止めた。
そして第2ダウンの攻撃。ハンドオフプレーでついにタッチダウン。トライフォーポイントは2ポイントコンバージョンを成功させて24-14とし、前半が終了した。

宮城学院女子大学のチアリーダーによる華麗なハーフタイムをはさみ、後半、第3クォーターが北大のキックオフで始まった。

東北大はこれを好リターン。自陣49ヤード付近から攻撃を開始した。
第1ダウンはドローで7ヤードゲインし、第2ダウン残り3ヤード。ここで北大ディフェンスがタイムアウトを取った。後半開始直後、自陣に入ったばかりで何故?という感じだったが、何かあったのだろう。あるいは東北大のオフェンスに何かあると察知したのかもしれない。
そう、何かあった!
第3クォーター開始後わずか1分、東北大は北大のタイムアウト終了後のプレーで、ドロープレーからボールをQBにトスして戻し、WRのポストパターンへパスを投げるという、おそらくこの試合のために準備したプレーでタッチダウンしたのだ! トライフォーポイントのキックはポストに当たって失敗したが、後半開始早々、東北大は30-14と再び点差を広げることに成功した。

これでモメンタムは東北大がつかんだかと思いきや、北大がキックオフでビッグリターン! 敵陣4ヤードまで一気に駆け抜けた。
誰もが再び点差が縮まると予想しただろうが、北大はここでホールディングを連続して罰退。この試合、北大のファウルと負傷者の多さが非常に目立つ試合だった。

さて、敵陣4ヤードからの北大オフェンスだったが、第2ダウン残り23ヤードまで罰退したところでタッチダウンを狙ってゴールエリア内のレシーバーへパスを投げ、東北大ディフェンダーがこれをインターセプト、そしてそのままリターンしてしまった。ゴールエリア内でのインターセプトに見えたので、タッチバックにすれば20ヤードから攻撃できただろうに、自陣6ヤード付近までしかリターンできず、このあと続くパントの蹴り合いで東北大が常に窮地に立つきっかけとなってしまった。

何度かパントを蹴り合ったあと、北大の敵陣40ヤード付近からの攻撃。WRへのシャローインとQBキープでロングゲインし、敵陣9ヤードまで攻め込んだ。WRへのフェイドなどでタッチダウンを狙うが失敗し、10分、イリーガルフォーメーションで蹴り直しとなったフィールドゴールを成功させ、30-17と点差を縮めた。

第3クォーターの出だしは良かった東北大だが、その後パスの失敗やパントのスナップミスなどで自滅気味。一方の北大も東北大のアグレッシブなディフェンスに決め手を欠いて得点できない。そして第3クォーターの終了間際、東北大が自陣15ヤード付近からWRへポストパターンのパスを成功させ、ランアフターキャッチで大きくゲイン。ようやく敵陣30ヤードまで攻め込むことに成功したところで第4クォーターに入った。

東北大は中央突破、WRへのパスで次々とダウンを更新。敵陣10ヤードまで攻め込むと、それまでのワンバックから一転、プロIからダイブで4ヤード稼ぐとパワーIをアンバランスラインで披露。北大のフェイスマスクのファウルもあって第2ダウンゴールまで残り1ヤードとなり、TBがオフタックル付近を突いて、3分、ようやくタッチダウン、36-17とした。このあと、トライフォーポイントで東北大は2ポイントコンバージョンを選択。残り12分で3つのタッチダウンを奪われる可能性を感じたのだろうか? ここはしっかり1点追加して気持ち良くなった方が良かったのでは?…ということで、2点を狙ったWRへのアウトパターンのパスは失敗してしまった。

ここから北大は素晴らしいドライブを見せる。
結果論だが、トライフォーポイントの成否が両チームに与えた影響があったのでは?と思えてしまう。1点だけでもしっかり成功させていれば、東北大は精神的に違った展開を迎えることができたのではないか、と思えたのだ。逆に相手が2ポイントコンバージョンを失敗したお陰で、北大はロングドライブを完結することができたのではないか。

さて、そのロングドライブ。北大の自陣20ヤード付近から始まった。
まずはWRへのスラントで9ヤードゲイン。フォルススタートで罰退のあと、WRインカール成功。ファーストダウンを獲得し、パス失敗のあとWRシャローインで8ヤードゲイン。QBキープで自陣44ヤード付近まで進みダウンを更新。RBがスラントするハンドオフプレーでさらにダウン更新、敵陣40ヤードまで進んだ。モーションスイープとシャローインで敵陣25ヤードまで攻め込み、ここで10ヤード残して第4ダウンまで苦しむが、WRへのアウトパターンを成功させて敵陣9ヤード付近でダウンを更新。QBキープをノーゲインに押さえ込まれるが、次のWRスラントで東北大がたまらずパスインターフェアランスを犯し、北大は敵陣2ヤードでファーストダウンを得る。そして9分、ハンドオフフェイクからQBが走り込んでタッチダウン、キックも成功して36-24と再び点差を縮めた。

素晴らしいロングドライブの末のタッチダウンだったが、点差の割に少々時間を食い過ぎたようだ。

北大は当然のようにオンサイドキックを試みるが、東北大は落ち着いてこれを処理し、自陣49ヤードから攻撃権を得た。
じっくり時間を費やすオフェンスをしてくるのかと思いきや、東北大オフェンスはここからパスで攻め始めた。点差は12点。確かにタッチダウン2つとトライフォーポイントのキックで逆転される点差だが、ランプレーで時間を潰せば、相手の得点機を半減させることにもなったのではないだろうか?

結局、パスオフェンスは北大ディフェンスに止められてパントとなり、これがタッチバックとなって北大は自陣20ヤードからの攻撃権を得た。

北大は、ボールキャリアが外に出て時計を止めるなどして攻めたが、パスの失敗とホールディングなどで思うように進めず、2分44秒を残して東北大に攻撃権を譲った。

東北大は、一度ダウンを更新できればそのまま試合終了を迎えることもできただろうが、残念ながら攻めきれずにパントを蹴り、残り1分21秒、北大は自陣12ヤードで再び攻撃する権利を得た。

北大も意地を見せたいところだったろうが、ここまで決まっていたWRのシャローインを東北大LBにがっちりカバーされ、続くWRのアウトパターンを東北大CBにインターセプトされてしまっては、試合時間が1分余り残ってはいたが、残念ながら決着はついてしまった。

36-24。
なかなか見応えのある、いい試合だった。
北大にファウルと負傷者が多くて少々残念だったが、それよりも東北大のディフェンスの強さを称えるべきだろう。また、東北大オフェンスの凝ったプレー構成も素晴らしかった。東北大学ホーネッツのシトロンボウルでの健闘に期待しよう!
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プロフィール

k_sone

Author:k_sone
東北学院大学体育会アメリカンフットボール部Kayaks(カヤックス)の元監督。部員数が激減して廃部寸前にまで陥ったチームを立て直し、東北学生1部リーグに昇格させた。2011年5月、監督を辞任。

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